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国立大学で心理学を専攻した後、マーケティング業に携わり、20年近く、日々人の心理について洞察し続けてきた「こぶたろー」の、ビジネスをサバイブするためにちょっと役立つかもしれないし、役に立たないかもしれないブログです

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超簡単解説:ブランドパーパスとは?

「ブランドパーパス」
一度は聞いたことがある人も、多いのではないかと思います。

マーケティングのトレンドワードの一つですが、
「ソーシャルグッド」や「ビジョン」と何が違うのか、
わかりにくいと感じることもあるのではないでしょうか。

今回は、「ブランドパーパス」について超簡単解説したいと思います。

 

ブランドパーパスとは?

直訳すると、企業・ブランドの存在目的・存在意義ということになります。
もう少し噛み砕くと、企業・ブランドが、社会の中でどんな貢献をするのかという視点での、
企業・ブランドの存在意義・ミッションです。

ビジョンと同じような概念ではあるのですが、
ビジョンよりは、社会貢献視点、つまり、社会の中での存在意義、
すなわち、人々の生活をどう豊かにするのかという点に
重みを置いている概念だと、こぶたろーは考えています。

ソーシャルグッドとの違いは、ソーシャルグッドは社会課題よりの視点であるのに対し、
ブランドパーパスは、より企業・ブランドに重心を置いた概念だと思います。

例えば、ある活動がブランドらしさと異なっていても
社会的に良い活動であれば、ソーシャルグッドな企業活動になります。
一方で、ブランドパーパスは、企業・ブランドの存在目的であり、企業ブランドの根幹です。ブランドらしくないソーシャルグッドな活動は、
ブランドパーパスからはズレた企業活動となります。

また、ソーシャルグッドは、顕在化している社会問題の解決に
貢献する行動を指すことが多いのに対し、
ブランドパーパスは、もちろん社会「問題」の解決も含みますが、
大きな「問題」になっていなくとも、
平和で持続可能な社会や生活を実現する上での貢献という、
より広義な概念ではないかと思います。

 

ブランドパーパスの背景

背景としては、前回投稿で取り上げた「SDGs 」の影響が大きいのではないかと、

こぶたろーは考えています。 

busitaroblog.hatenablog.com


企業が利益だけを追い求め、環境を破壊し、従業員を不当に扱うのでは、
企業のための企業となってしまい、
人のための企業ではなくなってしまいます。

SDGs に代表される社会課題が顕在する中、企業は利益さえ上げていれば良いのか?
過度な利益至上主義を避け、社会をより良くし、持続可能な社会を実現するために、
企業はどう貢献するのかを、改めて問い質すべきだという意識が高まったことが、
ブランドパーパスが広まった背景だと、こぶたろーは考えています。

また、企業側がブランドパーパスに注目しているのも、
単に社会貢献になるからではなく、お金になるからです。

今、製品・サービスだけでは差別化が難しくなっています。
ジェネレーションY,Z世代が社会や倫理といった価値観を大事にする傾向がある中、
社会における存在意義・目的を起点に展開する製品・サービスこそが、
生活者の興味・共感・愛着を獲得するブランドストーリーとなり、
売り上げに貢献すると、企業側も考えているからだと思われます。

 

ブランドパーパスを設定するメリット

上記と被りますが、下記だとこぶたろーは考えます。

  • 製品・サービスのコモディティ化が進む中、
    ブランドパーパスを軸に、企業やブランドの世界観・ストーリーを作ることで、
    差別化を図れる
  • 企業・ブランドが意思決定する上での判断基準になる
  • ブランドパーパスという大義が出来たことで、
    製品・サービスに直接関わる情報発信だけでなく、
    ブランドパーパスに敵う情報発信や活動をしやすくなり、
    生活者との接点を構築しやすくなる

企業が売上を上げつつ、生活者がより良い生活を送り、より良い社会となっていくために、
ブランドパーパスが、イメージづくりのためのバズワードではなく、
企業・ブランド活動の根幹になってくれればと、こぶたろーは思います。